「週刊漫画サンデー」1959年8月25日号〜1960年2月22日号連載 元禄14年(1701年) 将軍徳川綱吉の時代。柳沢吉保は先代将軍家綱のご落胤の存在を確認すると、自身の権力掌握のため、ご落胤、葵悠太郎の殺害を甲賀忍者に命じた。 葵悠太郎の家来。伊藤一刀斎門下の三鬼人といわれる腕前。 葵悠太郎の家来。織部玄左衛門の甥。 葵悠太郎の家来。葵悠太郎の乳母の子。 葵悠太郎の家の隣に住む越後獅子芸人。 丹吉の姉。弟と同じく越後獅子芸人。 柳沢吉保により、徳川家綱のご落胤、葵悠太郎の殺害を命を受ける。 甲賀七忍のひとり。 体を鋼の硬さに変質させ、刀をはねかえす。 甲賀七忍のひとり。 頭上から落ちてきて、相手を串刺しにする。 甲賀七忍のひとり。 数十秒、無重力状態となり、宙に浮かぶ。術後は動けなくなるほど消耗する。 甲賀七忍のひとり。 五色の薄絹を宙に舞わせ、自身の分身とし、敵を撹乱する。 甲賀七忍のひとり。 松の葉を食べ、煙を吐き出し、敵の視界を閉ざし、吹針で両眼を刺す。 甲賀七忍のひとり。 眼を合わせた者を催眠術にかけ、操る。 甲賀七忍のひとり。 自身のぬけがらを残して、姿を消す。 江戸幕府老中。徳川家綱のご落胤、葵悠太郎の殺害を甲賀七忍に命じる。 柳沢吉保の妾。 おさめの方の妹。柳沢吉保の養女。葵悠太郎に拐われ、味方になる。 おさめの方と将軍綱吉の子。 水戸藩藩主。葵悠太郎の存在を認知している。 服部玄斎の姪。葵悠太郎を討った忍者と嫁になるよう云われるが、反発する。 忍法帖シリーズ二作目にあたる本作は、柳沢吉保と徳川家の後継ぎを巡る物語で「護国女太平記」に描かれる柳沢騒動を題材としている。柳沢吉保の妾の子の父は綱吉かもよ?という瑣末な風説をよくフィーチャーしてくるなあと感心するが、偉い人にとっての邪魔者出現→暗殺のため、忍者登場の流れは忍法帖シリーズのひとつのテンプレートである。歴史の中にネタはいくらでもあるのだろう。前作が「甲賀忍法帖」になるので、比較すると、エロいのグロいのはなく、主人公も忍者ではないので、内容は割とあっさりした印象になる。エログロがないことが逆に特徴になっているといえるだろうか。そのためか、あまり人気がないようであり、前作ほどのインパクトに欠けるという点は同意だが、だとしても普通には面白い。この作品の見どころは、あまり動じない主人公、葵悠太郎に対して、ダブルヒロインとなるお縫、鮎姫のじゃじゃ馬ぶりが対照的で面白いところだと思う。強敵揃いの敵方忍者に対し、ヒロインも戦いに参加し、ギリギリのところで勝つところは、本当に手に汗握る。一般人が忍者を倒すって、あまりなくないですかね?あと、最後、水戸光圀が出てくるのだが、助さん、格さんまでもが登場し、完全な水戸黄門のパロディとなっているところに遊び心がある。この小説が書かれたのが1959年、こんな頃から水戸黄門ってあったのだっけ?と思い、wikipediaを調べてみると、1910年に映画が存在。1910年って、明治43年ですよ。日露戦争後、5年で水戸黄門が始まっていることの衝撃。ちなみに、初代と勘違いしていた東野英治郎版水戸黄門は1964年放送開始。テレビシリーズの初代黄門様にあたる。無駄な知識が増えてしまった。忍法帖シリーズは勉強にもなる。初出
時代
主な出来事
あらすじ
登場人物(葵一味)
葵 悠太郎(あおい ゆうたろう)
織部 玄左衛門(おりべ げんざえもん)
里見 隼人(さとみ はやと)
伴 兵馬(ばん ひょうま)
丹吉(たんきち)
お縫(おぬい)
登場人物(甲賀七忍)
八剣 民部(やつるぎ みんぶ)
忍法:肉鎧(にくよろい)
天羽 七兵衛(あまは しちべえ)
忍法:むささび落し(むささびおとし)
鵜殿 一風軒(うどの いっぷうけん)
忍法:ながれ星(ながれぼし)
葉月(はづき)
忍法:陽炎乱し(かげろうみだし)
粂寺 外記(くめでら げき)
忍法:霧閉し(きりとざし)
寝覚 幻五郎(ねざめ げんごろう)
忍法:幻五郎憑き(げんごろうつき)
空蝉 刑部(うつせみ ぎょうぶ)
忍法:空蝉(うつせみ)
登場人物(その他)
柳沢 出羽守 吉保(やなぎさわ でわのかみ よしやす)
おさめの方(おさめのかた)
鮎姫(あゆひめ)
柳沢 吉里(やなぎさわ よしさと)
水戸 黄門 光圀(みと こうもん みつくに)
服部 玄斎(はっとり げんさい)
お志乃(おしの)
感想
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原作本。