忍法帖読書雑記

山田風太郎先生の忍法帖シリーズについて書きます

忍法帖作品一覧

忍法帖シリーズを全て読もうと思い立ち、まずは作品の一覧を調べた。山田風太郎全仕事(角川書店)を参考に作品一覧を作成すると以下になる。

長編(25作品)
  1. 甲賀忍法帖
  2. 江戸忍法帖
  3. 飛騨忍法帖
  4. くノ一忍法帖
  5. 忍者月影抄
  6. 外道忍法帖
  7. 忍法忠臣蔵
  8. 信玄忍法帖
  9. 風来忍法帖
  10. 柳生忍法帖
  11. 忍法八犬伝
  12. 伊賀忍法帖
  13. 自来也忍法帖
  14. 魔界転生
  15. 魔天忍法帖
  16. 忍びの卍
  17. 忍法剣士伝
  18. 笑い陰陽師
  19. 銀河忍法帖
  20. 忍法封印いま破る
  21. 秘戯書争奪
  22. 忍者黒白草紙
  23. 海鳴り忍法帖
  24. 忍法双頭の鷲
  25. 忍法創世記
短編(83作品)
  1. 忍者明智十兵衛
  2. 忍者石川五右衛門
  3. 忍者向坂甚内
  4. 忍者撫子甚五郎
  5. 忍者本多佐渡
  6. 忍者服部半蔵
  7. 忍者帷子乙五郎
  8. 忍者車兵五郎
  9. 忍者仁木弾正
  10. 忍者玉虫内膳
  11. 忍者傀儡歓兵衛
  12. 忍者枯葉塔九郎
  13. 忍者梟無左衛門
  14. 忍者帷子万助
  15. 忍者野晒銀四郎
  16. 忍者枝垂七十郎
  17. 忍者鶉留五郎
  18. 忍法鞘飛脚
  19. 忍法肉太鼓
  20. 忍法花盗人
  21. 忍法しだれ桜
  22. 忍法おだまき
  23. 忍法破倭兵状
  24. 忍法相伝64
  25. 捧げつつ試合
  26. 濡れ仏試合
  27. 逆艪試合
  28. 膜試合
  29. かまきり試合
  30. 麺棒試合
  31. つばくろ試合
  32. 摸牌試合
  33. 姦の忍法帖
  34. 胎の忍法帖
  35. 笊の忍法帖
  36. 転の忍法帖
  37. 牢の忍法帖
  38. 〆の忍法帖
  39. 倒の忍法帖
  40. 叛の忍法帖
  41. 虫の忍法帖
  42. 呂の忍法帖
  43. 妻の忍法帖
  44. 淫の忍法帖
  45. 忍法関ヶ原
  46. 忍法天草灘
  47. 忍法甲州
  48. 忍法小塚ッ原
  49. 武蔵忍法旅
  50. おちゃちゃ忍法腹
  51. 刑部忍法陣
  52. 近衛忍法暦
  53. 彦左衛門忍法盥
  54. ガリヴァー忍法島
  55. 忍法聖千姫
  56. 忍法ガラシヤの棺
  57. 忍法とりかえばや
  58. 忍法幻羅吊り
  59. 忍法穴ひとつ
  60. 忍法瞳録
  61. 忍法阿呆宮
  62. 忍者六道銭
  63. 忍者死籤
  64. くノ一地獄変
  65. くノ一紅騎兵
  66. 天明の判官
  67. 天明の隠密
  68. 大いなる伊賀者
  69. お庭番地球を回る
  70. 怪談厠鬼
  71. さまよえる忍者
  72. 読淫術
  73. 忍法死のうは一定
  74. 怪異二挺根銃
  75. 忍法女郎屋戦争
  76. 伊賀の散歩者
  77. 伊賀の聴恋器
  78. 羅妖の秀康
  79. 剣鬼喇嘛仏
  80. 春夢兵
  81. 甲賀南蛮寺領
  82. 筒なし呆兵衛
  83. 開化の忍者

個人のホームページで忍法帖作品一覧を掲載する山田風太郎忍法帖リストがあった。こちらの一覧には「忍法相伝73」があったりして、若干の差異が見られるが、公式な作品一覧の情報はないのだろうか。知っている方いらっしゃいましたら教えてください。

このブログについて

私が初めて読んだ忍法帖は「甲賀忍法帖」だった。確か、ブックオフで100円で売っていたのを買ったのだったと思う。人外な忍術の奇抜さ、どちらが勝つか予想のつかないバトルの緊張感、任務に忠実な忍者のプロフェッショナルなカッコよさ、妖艶な描写にシビれた。

さらにこれが書かれたのが1959年(昭和34年)ということにも驚いた。「甲賀忍法帖」を読んで、すぐに連想したのは、登場人物が特殊能力を持ち、どう使って戦うかというバトルを駆け引き満載に描くという点で、荒木飛呂彦先生の「ジョジョの奇妙な冒険」との類似性である。パワー勝負ではなく、能力の相性で勝敗が決し、仲間であっても、容赦なく死ぬことがある展開は非常にスリリングだ。この頃の漫画はといえば、1959年は週刊少年マガジンが創刊された年で、月光仮面の小説などを掲載しており、「巨人の星」「あしたのジョー」すらまだない時代に、こんなにも現代に通用しうる漫画的エンタメが存在していたのかと驚嘆したものだ。漫画といえば「甲賀忍法帖」をコミカライズしたせがわまさき先生の「バジリスク」があるが、見て映える内容はやはり漫画との相性もよく、抜群に面白い。

その後、「伊賀忍法帖」「魔界転生」など有名な作品は読んだが、シリーズを調べると長編25、短編83もの作品が存在(「山田風太郎全仕事(角川書店)」より)し、買い集めてきた作品が積み本と化してきたこともあり、改めて全て読んでいこう思った次第である。そして、古い作品だからか、あまり情報も多くはないので、作品ごとに時代、登場人物、忍術についてまとめたら面白いのではないかと思い、それらについてこのブログに記していくことにした。自分の興味、理解を深めるためのものではあるが、これをきっかけに忍法帖シリーズ、山田風太郎先生に興味を持ってもらえる人が少しでも増えたら嬉しく思う。