忍法帖読書雑記

山田風太郎先生の忍法帖シリーズについて書きます

このブログについて

私が初めて読んだ忍法帖は「甲賀忍法帖」だった。確か、ブックオフで100円で売っていたのを買ったのだったと思う。人外な忍術の奇抜さ、どちらが勝つか予想のつかないバトルの緊張感、任務に忠実な忍者のプロフェッショナルなカッコよさ、妖艶な描写にシビれた。

さらにこれが書かれたのが1959年(昭和34年)ということにも驚いた。「甲賀忍法帖」を読んで、すぐに連想したのは、登場人物が特殊能力を持ち、どう使って戦うかというバトルを駆け引き満載に描くという点で、荒木飛呂彦先生の「ジョジョの奇妙な冒険」との類似性である。パワー勝負ではなく、能力の相性で勝敗が決し、仲間であっても、容赦なく死ぬことがある展開は非常にスリリングだ。この頃の漫画はといえば、1959年は週刊少年マガジンが創刊された年で、月光仮面の小説などを掲載しており、「巨人の星」「あしたのジョー」すらまだない時代に、こんなにも現代に通用しうる漫画的エンタメが存在していたのかと驚嘆したものだ。漫画といえば「甲賀忍法帖」をコミカライズしたせがわまさき先生の「バジリスク」があるが、見て映える内容はやはり漫画との相性もよく、抜群に面白い。

その後、「伊賀忍法帖」「魔界転生」など有名な作品は読んだが、シリーズを調べると長編25、短編83もの作品が存在(「山田風太郎全仕事(角川書店)」より)し、買い集めてきた作品が積み本と化してきたこともあり、改めて全て読んでいこう思った次第である。そして、古い作品だからか、あまり情報も多くはないので、作品ごとに時代、登場人物、忍術についてまとめたら面白いのではないかと思い、それらについてこのブログに記していくことにした。自分の興味、理解を深めるためのものではあるが、これをきっかけに忍法帖シリーズ、山田風太郎先生に興味を持ってもらえる人が少しでも増えたら嬉しく思う。